あなたの体質から整える、新しいお腹の診かた
「最近、お腹の不調が続くけれど、検査では“異常なし”と言われた」
「胃のムカムカ・お腹のガス・喉の違和感がずっと気になる」
そんな方には、“気の巡り”と“体質(証)”を整えることが大切かもしれません。
漢方では、体の不調を「気・血・水」のバランスと、**その人の体質=『証(しょう)』**から総合的に判断します。
なかでも「気」は体のエネルギーであり、すべての基本と考えられています。
けれど、漢方ではまず「証」を見極めることから始まります。
証を見てはじめて、「気」が足りていないのか(気虚)、巡っていないのか(気滞)といった状態がわかるのです。
「証(しょう)」とは?
〜あなたの体質に合った漢方を選ぶためのカギ〜
漢方では、症状だけを見るのではなく、その人の体質や今の状態を「証(しょう)」として判断します。
証とは、体のエネルギーの状態やバランスのことで、同じ症状でも証が違えば、使う漢方薬も変わってきます。
まずあなたの「証」を見極めることで、「気(き)」が足りないのか(気虚)、巡っていないのか(気滞)といった体の状態を正しく判断できます。
たとえば、証はこんなふうに見ていきます
■「体力があるか、ないか」=虚証(きょしょう) or 実証(じっしょう)
- 虚証:体力がなく、疲れやすい・冷えやすい・声が弱いなど
- 実証:体力があり、張り・のぼせ・イライラなどが出やすい
■「体が冷えているか、熱を持っているか」=寒証(かんしょう) or 熱証(ねっしょう)
- 寒証:冷え・下痢・顔色が青白いなど
- 熱証:のぼせ・口の渇き・便秘・赤ら顔など
■「症状の場所・深さ」=表証(ひょうしょう) or 裏証(りしょう)
- 表証:風邪のひき始めなど浅い症状(悪寒・発熱など)
- 裏証:胃腸の不調・便秘など体の奥の症状
あなたの「証」をチェックしてみましょう
以下の質問に当てはまる項目が多いほど、あなたの証の傾向が見えてきます。
いくつ当てはまるか数えてみてください。
■ 虚証(体力がないタイプ)チェック
▶ 3つ以上当てはまれば、虚証の可能性があります。
■ 実証(体力がある・こもりやすいタイプ)チェック
▶ 3つ以上当てはまれば、実証の可能性があります。
■ 寒証(冷えタイプ)チェック
▶ 3つ以上当てはまれば、寒証の可能性があります。
■ 熱証(熱こもりタイプ)チェック
▶ 3つ以上当てはまれば、熱証の可能性があります。
■ 表証(浅い症状タイプ)チェック
▶ 2つ以上当てはまれば、表証傾向があります。
■ 裏証(深い症状タイプ)チェック
▶ 2つ以上当てはまれば、裏証傾向があります。
このチェック票を元に、診察時にあなたの証を一緒に確認していきましょう。
証がわかると、よりあなたに合った漢方薬や生活アドバイスが見えてきます。そして、その中でもとくに注目すべきなのが「気の状態」です――
このあと「気虚」や「気滞」のチェックに進んでいきましょう。
気を整えて、お腹の不調を根本から改善
「気」とは?
漢方では、体を構成する3つの基本要素として「気・血・水」があります。
この中でも「気(き)」は、体を温め、動かし、生命活動を支えるエネルギーのような存在で、もっとも重要な役割を担っています。
- 気がなければ血は生まれず
- 血がなければ水も生まれない
- 気が滞れば、血も水も巡らない
そのため、体質改善の第一歩として「気」が足りているか、巡っているかを見極めることがとても大切です。
気の乱れには2つのタイプがあります
【1】気虚(ききょ)とは?
気が足りない状態
「気虚」とは、体を動かすエネルギーが不足している状態です。
疲労の蓄積や、消化吸収の低下でエネルギーがうまく作れなくなると起こります。
気虚のサイン(当てはまる方は要注意)
- 疲れやすく、気力が湧かない
- 風邪をひきやすい
- 食欲がない、声が小さい
- 少し動いただけで汗をかく
- やわらかい便や下痢が続く
- 舌のふちにギザギザ(歯痕舌)がある
気虚を改善するには
- 消化にやさしい温かい食事(おかゆ・スープなど)
- よく使われる食材:うるち米・豆類・かぼちゃ・鶏肉・うなぎ・甘酒・紅茶+レーズンなど
- 無理をせず、しっかり睡眠をとる
- 汗のかきすぎや冷えに注意する
- 漢方薬:補中益気湯、六君子湯、人参養栄湯など
【2】気滞(きたい)とは?
気が巡らない状態
「気滞」とは、ストレスや緊張で気の流れがスムーズにいかなくなっている状態です。
現代人にとても多く見られるタイプです。
気滞のサイン
- イライラ・落ち込み・ため息が多い
- 喉につかえた感じ、胸や脇の張り
- ガスが溜まりやすく、出ると楽になる
- ゲップ・しゃっくりが多い
- 便秘と下痢を繰り返す
- (女性)生理前に胸が張る、情緒が不安定になる
気滞を改善するには
- 香りのよい食材・料理で気を動かす(炒め物・柑橘・薬味など)
- よく使われる食材:玉ねぎ・しそ・みょうが・グレープフルーツ・オレガノ・ローリエ・カモミールなど
- ウォーキング・ストレッチ・太極拳などの軽運動
- 笑う・歌う・香りを楽しむ(アロマやハーブティー)
- 漢方薬:加味逍遙散、柴胡疎肝湯、半夏厚朴湯、香蘇散など
あなたはどちらのタイプ?
「気虚?」「気滞?」あなたはどちら?
あなたの「気」の状態をチェックしてみましょう。
気が足りないのか、巡っていないのかによって、対応のしかたが変わってきます。
気虚(ききょ)チェック ~エネルギー不足タイプ~
以下の項目に当てはまるものはありますか?
▶ 3つ以上当てはまれば、あなたは「気虚タイプ」の可能性があります。
気滞(きたい)チェック ~気の流れが悪いタイプ~
以下の項目に当てはまるものはありますか?
▶ 3つ以上当てはまれば、あなたは「気滞タイプ」の可能性があります。
どちらも当てはまる場合は?
「気虚+気滞」が重なっている方も少なくありません。
その場合は、**まず“補気”してから“巡らせる”**のが基本の順番です。
この後、「あなたのタイプに合った生活・食事・漢方」についてご案内します。
「気」を整えることは、お腹と心を整えること
当院では、まずあなたの**体質(証)**を見極めたうえで、気の状態を丁寧に診ていきます。
気が整うと、お腹の不調だけでなく、疲れや気分の不安定さも楽になる方が多くいらっしゃいます。
検査では異常が見つからないけれど、つらい不調がある方へ
まずは「気」の状態を見直してみませんか?
当院は「漢方 × 西洋薬 × AI」であなたをサポート
当院では、漢方だけでなく、**必要に応じて西洋薬(胃薬・整腸剤・精神安定薬など)**も組み合わせた診療を行っています。
さらに、AI(チャット君)を活用して、あなたの体質や経過の変化を見える化しながら、医師が最適な治療を判断します。
- 漢方と西洋薬の併用で、より確実な効果を目指す
- 日々の体調変化やお悩みも、AIチャットと共有してスムーズにフォロー
- ご自身の“今の状態”を見える化して、治療の納得感が高まります
あなたの「お腹」と「心」の調子を、証+気の流れ+現代医学の力で丁寧に整えていきましょう。